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学校の組織開発物語

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連載2-1/企画から運営まで学生主体。学生主体で挑む組織づくり【常磐大学】

  • 1 日前
  • 読了時間: 8分

常磐大学では、学生が主体的に活動できる機会づくりのため、2014年、学生と教職員が協働して「TSS(Tokiwa Student Staff)」を立ち上げました。教職員の伴走により実績を重ね、立ち上げから10年を経た2023年に、より学生主体の自治活動へとシフトするため「コミュニティサービス連合」へと進化を遂げています。

組織の立ち上げから学生を見守り続けてきた職員、関 敦央さん(心理臨床センター統括)に続き、ここからは同組織で活動に取り組む学生さんに話を聞いていきます。すべての企画に全力で取り組み、組織の負担分散やメンバーのモチベーション管理といったマネジメントの壁にぶつかりながらも、自らのリーダーシップを開花させていく学生さんらのリアルな成長軌跡をお届けします。

まずは、学生主体のボランティア団体「TRICOLOR(トリコロール)」でリーダーを務めたUさん(人間科学部心理学科4年)にご登場いただき、活動内容やリーダーとしての葛藤と学びに迫ります。

(全2回の前半)

 

 

―― まずはUさんが常磐大学に入学した経緯から教えてください。 


Uさん 高校で進路を考えるようになり、教師や保育士など子どもと関わる仕事について調べるうちに、児童養護施設での児童指導員という仕事に興味を持ったんです。4年制大学の心理や教育福祉の学科を卒業すればその仕事につくための任用資格が得られるのですが、常磐大学の心理の授業が有名であるという情報を聞き、心理学科を選びました。 



―― 今日は、Uさんが所属しているコミュニティサービス連合での活動について話を聞かせていただきたいと思います。まずは、この活動に参加したきっかけを教えもらってもいいですか? 


Uさん 入学前から、ボランティア系のサークルに入りたいと思って常磐大学のサークル情報を調べていたんです。「TRICOLOR(トリコロール)」(以下、トリコロール)を見つけて、SNSで子ども支援のボランティアをやっていることを知り、入ることにしました。



―― トリコロールはどんな活動をしている団体なのか、具体的に教えていただいてもいいでしょうか? 


Uさん 活動の柱は、子ども支援活動、災害復興支援活動、地域支援活動の3つです。「できることを、できるときに、できるだけ」をテーマに、学生主体で社会のためにできることを考え、ボランティアの企画から運営までを行っています。 



―― 何人ぐらいの団体なんですか。 


Uさん 今、ちょうど1年生がメンバーに加わった時期で、全部で60人ぐらいになりました。僕が入った時は1年生がすごく多くて100人ぐらいだったのですが、だんだん減っていって、今は60人前後で活動しています。 



―― 活動は子ども支援、災害復興支援、地域支援の3つテーマ別にグループに分かれて行うのか、それともボランティアごとにやりたい人が集まる方式ですか? 


Uさん どちらかといえば後者で、希望制で自由に選べます。年間でいつ、どんなボランティアが行われるかのスケジュールが組まれていて、「コレとコレをやりたいです」と希望して参加しています。 



―― スケジュールには含まれない、単発で発生するボランティアもあるのでしょうか? 


Uさん 外部で行われるボランティアのお手伝いに行くこともあるんですけど、基本的には自主開催しています。それがトリコロールの特徴でもあります。



――なるほど。外部の団体が主催するボランティアに参加するのではなく、自主開催。対象や内容や予算も自分たちで考えて行っているということですね。 


Uさん 1つのボランティアに対して、準備期間も含めると1ヶ月から数ヶ月程度をかけて取り組んでいます。例えば災害復興支援のケースでいえば、現地でボランティアを行う日数自体は1~2日なのですが、エリアや内容を決める企画の部分や、現地にいくまでの移動や宿泊の手配も、一つひとつミーティングで話し合います。当日実施して学んだことは、帰ってきてから、どういう部分で学びがあったのか、今後に向けて改善でいることはないかなど、一つの流れとして取り組んでいるんです。年間1回の企画もあれば、年間2回の企画もありますが、一度行った企画は毎年継続的に行っていて、現在年間10種類くらいの企画を実施しています。



―― 毎年、先輩たちのつくった実績を引き継いでいるということですか?


Uさん 5~7割が先輩から引き継いで毎年やっている企画ですが、先輩たちはこんなことしたけど自分たちはどうしようかと考えて実施しているものもあります。また、活動していくうちに外部の団体さんと関わりができて、「新しいことやってみようか」となることも出てきますね。ただし、企画が増えすぎると対応できなくなるので、複数の企画をうまく1個のプロジェクトに落とし込むなどしながらやりくりすることもあります。



―― Uさんはそのうち、いくつの企画に関わっているのですか。 


Uさん 今年は4年生ですし、活動の残り時間も限られているので、やれるだけやっておきたくて、全部参加しています。 



―― 全部?めちゃくちゃ忙しそうですね。


Uさん 今年は、ちょうど今(4月)、年間の企画検討のミーティングが始まった段階です。直近で予定しているのは、7月の「ひまわりデイキャンプ」という子ども支援活動で、活動内容の案出しをしています。これは、フリースクールに通っていたり、不登校や引きこもりの子どもたちを対象にしていたのですが、今年からはそういう括りはなくして、近隣の小学校とかにも呼びかけるなど、より広く募ることになりました。デイキャンプは年2回行っていて、毎回15~20人程度が参加してくれています。 



――それ以外にはどんな企画があるんですか?


Uさん 災害復興支援でいえば、昨年1月頃に大船渡の山火事があったので、1泊2日のツアー形式で現地視察などを行いました。トリコロールのホームページに特設サイトを設けて、ツアーの内容をまとめたものを掲載したりしています。Xアカウント(https://x.com/tkw_TRICOLOR)でも活動情報を掲載しています。 



―― 活動費はどのようにまかなっているのですか? 


Uさん ざっくり2種類ぐらいあるんですけど、企業が提供してくださる外部の助成金や大学の奨励金に申請する方法と、もう一つは学生からの参加費で賄う方法もあります。



―― 今年新しく立ち上げた企画などありますか? 


Uさん 今年5月頃に計画しているのは、地域支援活動のわんぱくDAYキャンプ。これは自主開催ではないんですけど、昨年、地域防災リーダーズ協会の方と関わりを持ったのをきっかけに依頼されて取り組んでいる企画です。



―― 外部団体との接点はどうやってつくったのですか?


Uさん 今回はSNSでトリコロールの活動を知っていただき、DMでお話いただいたんです。そこから実際にお会いして、話を進めることもあるし、関さん(注:活動をサポートする職員、前回登場)の個人的な関わりから始まることもあります。 



――SNS経由で始まる取り組みもあるんですね。 


Uさん そうですね。たまに活動報告もUPしたりするので、子ども支援、地域支援、災害復興支援という枠組みで目的が共通している団体さんがご覧になって、「大学生の視点から一緒に考えてほしい」とお声がけいただくこともあります。



―― Uさんは今4年生とのことですが、現在はどういう立場で活動に参加しているのですか?


Uさん 僕は2年の春にトリコロールのサブリーダーになり、2年の秋以降はリーダーを務めていたんです。今はリーダー職は離れて、今のリーダーに引き継ぎしています。



―― リーダーになったのは自薦?他薦? 


Uさん どちらもあります。やりたい気持ちもありましたし、先輩から声をかけていただいたので、リーダーになることを決意しました。



―― 先輩がリーダーに指名してくれたのはなぜだと思います?


Uさん 僕は最初からボランティアをやりたい気持ちが強くて、サークル勧誘で声をかけられる前に自分から入ったというのもありますし、1年生の頃も企画全部に参加していたので、それがよく見えたのかもしれません(笑)。



―― なるほど。先輩にとっては「非常に積極的に活動している人」に見えたんでしょうね。リーダーになってからはどんなことを経験されたんですか?


Uさん 企画の内容よりも、組織体制について関さんと相談して、いろいろと工夫してきました。トリコロールには企画ごとにリーダーもいれば、当日だけ参加するメンバーもいるなど、いろいろなポジションの人がいて、それぞれの活動に参加するメンバーのモチベーションもさまざまです。それぞれの人に、どうすれば学びを浸透させていけるかということについていろいろ考えたりしました。

また、活動は忙しくて、企画ごとにたくさんの資料を作成するのですが、それらを全部団体のリーダーズがチェックしてOKを出すようにすると、一部の人に負担が偏ってしまいます。それで、団体として行う作業と、企画を進めるうえでの作業を、団体のリーダーズと企画のリーダーズで分散させる仕組みを考えました。



―― リーダーやる前とやった後での違い、例えば想像より大変だったとか、すごく学びになったとか、そういうことがあれば教えてください。


Uさん やる前は、企画全体を俯瞰して見て、考える部分が大きいのかなと思っていたんですけど、実際は、企画の中身を見て細かい部分まで考慮して、場所や予算や計画の妥当性を考えることが多かったなと思います。むしろ、活動においては、企画のリーダーやサブリーダーのほうが考えることが多かったかなと思います。

あと、全体を見る必要があるので、人間関係や雰囲気づくりには気をつけていました。どうしたらうまく先輩が後輩に教えていけるかなとか、どうやったらわかりやすく伝えられるかといったことを、自分でも見つけながら、それを同学年とか後輩に教えていくのが、楽しくもあり難しい部分でもありました。



――リーダーを経験したことで、自分について発見したこと、気づいたことってありますか?


Uさん 僕は大学に入るまで、人の上に立つ経験をしてこなかったんですけど、意外と下で指示を受けるより、自分で考えたり、言いたいことを言える立場のほうが動きやすいタイプなのかなと思いました。

 

※肩書・掲載内容は取材当時(2026年4月)のものです。

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